ただのお話相手ではありません
人は、人との交流なしに生きてはいけません。
ですが現実的には、いわゆる現役を退いた世代になれば、社会との繋がりが薄れ、人と交流する機会は減ってしまうのが通常です。
家族との心温まる会話、気のおけない友人とのお喋り、むろん心を許した介護施設スタッフとの談笑も、シニア世代にとって生きる意欲を支える大切な要素。
シニアの方々のお話し相手となることは、それだけで大変に貴重なことだと思います。
ですがシニア世代の多くは、人知れず家族関係や友人関係に悩んだり、できることが少なくなっていく無力感、大切な友人や伴侶に先立たれる喪失感に苦しみ、やり場のない孤独感を心の奥底に閉じ込めて日々を暮らしているものです。
周囲の人に気を遣って、言いたいことの大部分を胸の内にしまい込み、溜め込んでいる場合も少なくありません。
そこで私は、一時的に寂しさを紛らわせる「お話相手」の一歩先を目指しています。
それは、徹底的な共感と受容によって、クライアントの心を癒すための傾聴です。
クライアントの言葉のみならず、その裏にある深層心理を非言語的メッセージから読み取り、その全てを否定することなく受け容れることによって、凝り固まった心を解きほぐしていく手法です。
反復的継続的、そして意図的にお話を聴くことによって、「私には、なんでも話せる人がいる」という安心感が芽生えるのを待ち、ご自身で胸の中のモヤモヤの原因を見つけ消化・浄化していく手助けをするのです。
手法だとか手助けというと、与える側と与えられる側を分けるような印象になってしまうでしょうか・・・?
私は、治療薬やカウンセリングを与えるわけではありません。
ベースにあるのは、対等な人間対人間の真摯なコミュニケーション。
それが、私が意味するところの『「聴く」ことで癒す』ということなのです。
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